
不動産買取を利用したいけどデメリットが気になる人も多いと思います。
そこで、この記事では不動産買取のデメリットについて詳しく解説していきます。
- 不動産買取のメカニズム
- 不動産買取と仲介の違い
- 不動産買取のメリット・デメリット
- 不動産仲介のメリット・デメリット
- 不動産買取でありがちなトラブル
目次
不動産の買取とは?
不動産買取は購入希望者に代わり不動産会社が物件を直接買い取るサービスです。
主な特徴として以下の点が挙げられます。
- 不動産買取のメカニズム
- 不動産買取の方法2種類
詳しく見ていきましょう。
不動産買取のメカニズム
不動産の買取について、まず不動産買取のメカニズムを詳しく解説します。不動産会社は売主から直接物件を購入し、リフォームや改修を加えて付加価値を高めます。
市場価格との差額が大きいと不動産買取のデメリットとなる可能性もありますが、早期売却には効果的な手法です。
不動産買取の方法2種類
不動産の買取において、不動産買取の方法には即時買取と買取保証の2種類があります。
即時買取
- 最短3日程度での売却が可能
- 早期の現金化を実現
- 買取価格は市場価格より低めの設定
買取保証
- 高値での売却機会を確保
- 期限付きで売却を保証
- 仲介不調時は買取価格での売却
一般的には即時買取の方が買取価格は低くなりがちですが、売却までの期間を大幅に短縮できる点がメリットです。
一方で買取保証は、不動産買取のデメリットである価格面での不利を軽減できる可能性がありますが、売却完了までに時間を要する特徴があります。
不動産仲介との違い
不動産買取と仲介の仕組みには大きな違いがあります。
項目 | 不動産買取 | 不動産仲介 |
---|---|---|
買主 | 不動産会社が直接購入 | 一般購入者 |
売却期間 | 最短数日~1ヶ月程度 | 3ヶ月~半年程度 |
売却価格 | 市場価格より低め | 市場価格に近い |
手数料 | 不要 | 仲介手数料が必要 |
内覧対応 | 不要 | 必要 |
価格交渉 | 基本的になし | あり |
近隣への公開 | なし | チラシやウェブで告知 |
不動産買取の場合は不動産会社が直接物件を購入するため、一般的な仲介販売と比べて手続きがシンプルです。
不動産買取では内覧対応や価格交渉などの手間が省けますが、売却価格が仲介より低くなる可能性があり、買取のデメリットとして認識しておく必要があります。
一般的な仲介では時間をかけて買主を探すため高値での売却が期待できますが、売却までの期間や手続きの手間が増える点は避けられません。
不動産買取を利用するメリット
不動産買取には8つのメリットがあります。
- 売却期間が短く現金化までのスピードが早い
- 仲介手数料の負担がない
- 売主は契約不適合責任を負わない
- 売主側でのリフォームや内覧対応は不要
- 売却事情を近隣住民に知られるリスクが少ない
- 契約破棄となるリスクが少ない
- 売主の都合に合わせて手続きを進められる
- 条件の悪い不動産も売却しやすい
それぞれのメリットについて詳しく解説していきます。
売却期間が短く現金化までのスピードが早い
不動産買取を利用する最大のメリットは、売却期間が短く現金化までのスピードが早い点です。
不動産会社との契約から最短1週間程度で売却が完了し、一般的な仲介売却と比べて圧倒的に早く現金化できます。
仲介手数料の負担がない
不動産買取を利用するメリットの一つである、仲介手数料の負担がない点にも注目です。一般的な不動産の仲介売却では、売却価格の3%に6万円の仲介手数料が発生するケースが多いでしょう。
しかし、買取では不動産会社が直接購入するため、余計な費用負担を抑えられるメリットがあります。
売主は契約不適合責任を負わない
不動産買取を利用するメリットにおいて、売主は契約不適合責任を負わない点があります。買取では物件の状態を不動産会社が把握したうえで購入するため、引き渡し後の不具合や故障に対する責任を売主が負う必要がありません。
物件の状態に不安がある場合でも、安心して不動産売却を進められる体制が整っているでしょう。
売主側でのリフォームや内覧対応は不要
不動産買取を利用するメリットとして、売主側でのリフォームや内覧対応が不要という特徴があります。
一般的な不動産売却で必要となる、複数の購入検討者への内覧対応や物件の清掃といった手間がかかりません。
売却事情を近隣住民に知られるリスクが少ない
不動産買取を利用するメリットの一つに、売却事情を近隣住民に知られるリスクが少ない点があります。
広告掲載や内覧者の出入りがないため、プライバシーを守りながら売却を進められます。離婚や相続など、デリケートな事情による売却でも周囲に知られずに進めやすい点もメリットです。
契約破棄となるリスクが少ない
不動産買取を利用するメリットとして、契約破棄となるリスクが少ないことも挙げられます。
不動産会社が自社の審査を経て購入を決定するため、住宅ローンの審査や資金調達の問題による契約破棄は発生しづらいでしょう。
ただし、重大な法令違反や契約時の重要事項に関する虚偽申告があった場合は、契約が破棄となる可能性があります。
売主の都合に合わせて手続きを進められる
不動産買取を利用するメリットとして、売主の都合に合わせて手続きを進められる点があります。
引っ越しの予定や住宅ローンの返済時期など、基本的に売主の事情に応じて柔軟に引き渡し時期を調整できます。
条件の悪い不動産も売却しやすい
不動産買取を利用するメリットの一つに、条件の悪い不動産も売却しやすい点があります。
築年数が古い物件や立地条件が良くない物件でも、不動産会社がリフォームや改修を前提に購入を検討するケースが多くあります。
不動産買取であれば一般売買では難しい物件でも、売却できる可能性が広がるでしょう。
不動産買取を利用するデメリット・注意点
不動産買取を利用する際は、4つの重要なデメリットと注意点があります。
- 売却価格が仲介より安くなりやすい
- 買取不可の不動産もある
- 不動産買取業者の選択肢が少ない
- 住宅ローンを完済していることが条件
各項目について詳しく見ていきましょう。
売却価格が仲介より安くなりやすい
不動産買取のデメリット・注意点の中には、売却価格が仲介より安くなりやすい点があります。
不動産買取における価格は一般的な仲介価格の6〜8割程度になることが多く、買取業者が物件の再販売時の利益を見込んで価格設定を行うためです。
買取価格は物件の状態やエリアの相場によって変動し、急ぎの売却では20〜40%ほど市場価格より低くなる可能性もあります。
買取不可の不動産もある
不動産買取のデメリット・注意点の一つとして、買取不可の不動産もあることも挙げられます。
不動産買取で不可となりやすい物件には以下の特徴があります。
- 再建築不可の古家がある土地
- 法規制により建築制限がある物件
- 土壌汚染や地盤沈下の可能性がある土地
- 利用価値が低い立地条件の物件
- 事故物件や訴訟物件
特に転売を前提とした不動産買取では、再販が困難な物件は買取を断られるケースが少なくありません。
不動産買取業者の選択肢が少ない
不動産買取のデメリット・注意点において、不動産買取業者の選択肢が少ない点もあります。
不動産の買取には大きな資金力が必要となるため、仲介会社と比べて買取専門の業者数は圧倒的に限られています。
特に地方エリアでは買取業者の数が極端に少なく、条件面での交渉が難しくなるでしょう。
住宅ローンを完済していることが条件
不動産買取のデメリット・注意点として、「住宅ローンを完済している」という条件があります。
買取時には不動産に設定された抵当権を完全に抹消する必要があり、売却金額でローンを一括返済できない場合は自己資金での対応が求められます。
物件の査定額が残債よりも低い場合、資金面での手当てができなければ買取自体が不可能となるので注意してください。
不動産仲介を利用するメリット
不動産仲介を選択した場合の主なメリットは以下の2点です。
- 希望価格で売却できる可能性がある
- 購入希望者のニーズに合わせた戦略を立てられる
メリットの内容を詳しく解説していきます。
希望価格で売却できる可能性がある
不動産仲介を利用するメリットとして、希望価格で売却できる可能性があります。不動産買取と異なり、複数の購入希望者と価格交渉を重ねることで、市場価格に近い金額での取引が実現できるでしょう。
仲介では、物件の魅力をアピールしながら価格交渉を進められるため、売主の期待に沿った価格での売却につながります。
購入希望者のニーズに合わせた戦略を立てられる
不動産仲介を利用するメリットとして、購入希望者のニーズに合わせた戦略を立てられる利点があります。
購入希望者からの条件提示を受けて具体的な要望を把握し、物件の価値を最大限に引き出す提案が可能です。
間取りの使い方や改装プランなど、購入希望者の視点に立った具体的な提案ができることで、成約率を高めることができます。
物件の価値を最大限に引き出せる点も、不動産買取とは異なる仲介売却ならではのメリットと言えるでしょう。
不動産仲介を利用するデメリット・注意点
不動産仲介での売却には4つのデメリットがあります。
- 売却完了まで手間と時間がかかる
- 売主が契約不適合責任を負う
- 広告掲載によって近隣に売却事情を知られる
- 仲介業者への仲介手数料を負担する必要がある
各デメリットについて詳しく見ていきましょう。
売却完了まで手間と時間がかかる
不動産仲介を利用するデメリット・注意点の1つとして、売却完了まで手間と時間がかかる点が挙げられます。
一般的な仲介売却では購入希望者が見つかるまで3〜6ヶ月程度の期間を要することが多く、不動産買取と比べて現金化までの時間が長くなりがちです。
また、内覧の準備や購入希望者への対応など、売主側の負担も大きくなる傾向にあるでしょう。
売主が契約不適合責任を負う
不動産仲介を利用するデメリット・注意点には、売主が契約不適合責任を負うという特徴があります。
引き渡し後に建物の不具合が発見された場合、修繕費用などの負担を求められる可能性があります。
不動産買取では免除されることの多い契約不適合責任も、仲介売却では原則として売主側が2年間負わなければなりません。
広告掲載によって近隣に売却事情を知られる
不動産仲介を利用するデメリット・注意点に、広告掲載によって近隣に売却事情を知られる点が含まれます。
不動産会社はインターネットや折込チラシなど、様々な媒体で物件情報を広く告知します。
不動産買取と異なり、離婚や相続など、デリケートな事情による売却の場合は特に注意が必要です。
仲介業者への仲介手数料を負担する必要がある
不動産仲介を利用するデメリット・注意点として、仲介業者への手数料負担が発生します。
売却価格の3%プラス6万円を上限とする仲介手数料が必要で、不動産買取と比べてコスト面での負担が大きいでしょう。
高額物件の場合は特に手数料負担が重くなり、売却時の実質的な手取り額に大きく影響するので注意が必要です。
不動産買取を選ぶべきケース
不動産買取は3つの状況で特に有効な選択肢です。
- 他の手段では買い手がつかない
- エリアは悪くないが築年数が古い
- 不動産を早期売却したい
具体的なケースを解説します。
他の手段では買い手がつかない
不動産買取を選ぶべきケースの一つ目は、通常の仲介では買い手がつかない場合です。通常の仲介では買い手が見つからず、維持費の負担が重くのしかかることも考えられます。
売却金額は不動産買取のデメリットとして抑えめになる傾向がありますが、物件を抱え続けるリスクを考慮すれば有効な選択肢です。
エリアは悪くないが築年数が古い
不動産買取を選ぶべきケースの中には、エリアは悪くないが築年数が古い場合もあります。
買取のデメリットである価格面の不利は気になりますが、解体費用や大規模リフォーム費用を自己負担せずに済むメリットがあります。
買取業者は物件の潜在価値を見出すプロなので、築古物件でも積極的に検討する価値があるでしょう。
不動産を早期売却したい
不動産買取を選ぶべきケースとして、早期売却したい場合も含まれます。不動産買取は価格面でデメリットがあるものの、最短数日での売却が可能なスピードがメリットです。
売主のスケジュールに合わせた柔軟な対応が可能なため、時間的制約の強いケースでは特に有効な選択肢といえるでしょう。
不動産買取でありがちなトラブル
不動産買取での取引時は、以下3つのトラブルが発生しやすいので確認しておきましょう。
- 査定時よりも低い売却価格が提示される
- 不動産買取業者に有利な条件で契約する
- 家具・家電の処分費など想定していない費用が請求される
各トラブルの実態と対処法を解説します。
査定時よりも低い売却価格が提示される
不動産買取でありがちなトラブルの中には、査定時よりも低い売却価格が提示されるケースがあります。
当初提示された買取価格から、物件の補修費用や市場価値の変動を理由に値引きを要求されるケースです。
複数の不動産会社から査定を取得して適正価格を把握しておくと良いでしょう。
不動産買取業者に有利な条件で契約する
不動産買取でありがちなトラブルとして、不動産買取業者に有利な条件で契約されてしまうパターンも挙げられます。
売主にとって不利な特約や条件が契約書に盛り込まれていたり、引き渡し期限が一方的に設定されたりするケースも考えられます。
不動産買取のデメリットを回避するには、契約書の内容を専門家に確認してもらうことがおすすめです。
家具・家電の処分費など想定していない費用が請求される
不動産買取でありがちなトラブルの一例として、家具・家電の処分費など想定していない費用が請求されるケースもあります。
見積もり時には説明がなかった追加費用を契約後に要求されたり、処分費用が高額に設定されるトラブルもあるようです。
不動産買取のデメリットを防ぐためにも、事前に処分費用の見積もりを取得し、金額をしっかりと確認しましょう。
不動産買取におけるリスクヘッジのポイント
不動産買取でのリスクを最小限に抑えるため、4つの重要なポイントがあります。
- 契約内容における不明点はすべて解消する
- 売却相場の知識を頭に入れておく
- SNSなどで不動産買取業者の評判を確認する
- 信頼できる不動産買取業者を選ぶ
各ポイントについて具体的な実践方法を解説します。
契約内容における不明点はすべて解消する
不動産買取におけるリスクヘッジのポイントには、契約内容における不明点はすべて解消することが挙げられます。
購入価格や諸費用の負担、引渡し時期などの契約条件は書面で明確に確認することが大切です。
売却相場の知識を頭に入れておく
不動産買取におけるリスクヘッジのポイントとして、売却相場の知識を頭に入れておく必要性があります。
近隣の取引事例や不動産専門サイトの情報から、適正価格の目安を把握しておくと買取価格の目安が確認できます。
複数の不動産会社から査定を取得し、相場観を養うことで不当に安い買取価格を回避できる可能性が高まるでしょう。
SNSなどで不動産買取業者の評判を確認する
不動産買取におけるリスクヘッジのポイントの一つに、SNSなどで不動産買取業者の評判を確認もあります。
口コミサイトやSNSでの評価を見ることで、実際の取引での問題点や対応の質を事前に把握することが可能です。
会社の規模や営業年数だけでなく、利用者の声を参考にすることで、信頼できる業者選びにつながります。
信頼できる不動産買取業者を選ぶ
不動産買取におけるリスクヘッジのポイントとして、信頼できる不動産買取業者を選ぶことも大切です。
業者選びの重要なポイントとして、以下の要素が挙げられます。
- 業界での実績と経験年数が豊富
- マンションや戸建てなど、特定の物件タイプに専門性がある
- 宅地建物取引業協会などの公的機関に加盟している
- アフターフォローが充実している
- 財務状況が健全である
- 買取実績の開示に積極的
- 顧客対応が丁寧で迅速
専門性と実績を兼ね備えた不動産買取業者を選ぶことで、安心して取引を進められます。